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企画の過程で、プロデューサーはオリジナルメンバーに21年振りの召集を掛けた。
久しぶりに顔を合わせた同級生メンバーは、「何で呼ばれたの?」という態度。
記念すべきBOX企画も全く関心を示さず、他人事の様相。
そこでプロデューサーは何も期待せず、言葉を発してみた。
「過去の作品を詰め込むだけでは、ツマラナイから、誰も予想しない事やりたくない?例えば21年振りの新曲を創るとか?」
誰も何も言わず無言のまま。20年間このメンバーでレコーディングしていない彼らにしてみると、
全く現実味が無かったのかもしれない。秒針が止まったままの長い沈黙・・・
その沈黙を破ったのは伸一(g)だった。
「モチベーションが見つかれば・・・」と一言。
「リーダーシップを茂(vo)に委ね、感応する詩が出来上がれば可能性がある」と静かに言葉にした。
後のメンバーも軽く頷いた。マリ(g)は黙して語らず・・・
茂(vo)の「詩」が決め手となる方向に流れは向かった・・・
アナーキーがアナーキーとして在った時間、彼らにはすでに薄い記憶となっていた。
5年間強烈に疾走したバンドに残り火は有るのか?発火する種火は残っているのか?
“たった”一曲が“されど”途方もない重さとなり、関係者をも緊張・硬直させていく。
離合集散したそれぞれの心の中にあるアナーキー・・・
果たしてメンバーがそれぞれに抱える以心はバンドとして伝心するのか・・・
そこから、筋書きの無い、結末が見えない、アナーキードラマが急展開し始めた。
ミュージシャンとしての誇り、仕事としての大人の対応。渦の中に巻き込まれたくないと、 参加を拒むスタッフも続出するなか、カメラは容赦なく淡々と回り続けていく。
これら8ヶ月間の苦闘が露わとなったドキュメンタリーは、200時間超となり、太田達也監督とあのバトル・ロワイアルをヒットさせた深作組によって他に類を見ない映像作品としてDVD2枚に仕上られた。
エンドロールに流れる21年振りに誕生した奇跡の新曲、仲間が語る名言、メンバーの葛藤、音楽を愛する全ての人達にこの作品を捧げたいと思う。 |